IE9ピン留め
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2006年 01月
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『なごり雪』伊勢正三
動き始めた汽車の窓に
顔をつけて
君は何か言おうとしている
君のくちびるが「さようなら」と動くことが
こわくて下を向いてた
# by moon_color | 2006-01-21 04:17 |
『脳と仮想』茂木健一郎
ディズニーランドのぴかぴかのプラスティックの世界は、永遠の若さと美しさのメタファーである。そのような見かけ上の永遠は、傷ついたプラスティックのパーツを交換するシステムによって成り立っている。

しかし、自分の人生は取り替えるわけにはいかない。

# by moon_color | 2006-01-17 08:20
最終バスでおめでとう
「おかぁさん、今日ね、」
4歳ぐらいの女の子が、今日あった出来事を一生懸命に母親に説明している。つたない言葉を限られた時間に詰め込むように。行き先の赤く灯る0時30分最終バス。クリーニング屋とか歯医者とか、次の停留所の音声案内は全く記憶に残らない。
北浦和から2つ目の停留所を通過する。
女の子はソレまでの調子を落とし、母親の様子をうかがうようにゆっくりと話し始めた。

「トモちゃんね、今日誕生日だったんだよ」
母親はトモちゃんの顔をのぞき込みながら言った。
「大丈夫、覚えてるよ、プレゼントも買ってきたからね」
トモちゃんは5秒ぐらい我慢して、やっぱり我慢できなくて泣き出した。全部を表現してしまったら罪になると誤解しているからトモちゃんは声を殺して泣く。顔を母親の胸に埋めながら。

 悲しみ深い 束縛の海 身をよじらせる

信号は青。
信号の青を、大吾は緑だと言い張る。
少し曇った窓、にじむ色はエメラルドグリーン。

トモちゃん、お誕生日おめでとう。
# by moon_color | 2006-01-14 02:01 | 日記
『銀河鉄道の夜』宮沢賢治

 川の向う岸が俄かに赤くなりました。やなぎの木や何かもまっ黒にすかし出され見えない天の川の波もときどきちらちら針のように赤く光りました。まったく向う岸の野原に大きなまっ赤な火が燃されその黒いけむりは高く桔梗いろのつめたそうな天をも焦がしそうでした。ルビーよりも赤くすきとおりリチウムよりもうつくしく酔ったようになってその火は燃えているのでした。
「あれは何の火だろう。あんな赤く光る火は何を燃やせばできるんだろう。」ジョバンニがいいました。
「蝎の火だな。」カムパネルラがまた地図と首っ引きして答えました。
「あら、蝎の火のことならあたし知ってるわ。」
「蝎の火ってなんだい。」ジョバンニがききました。
「蝎がやけて死んだのよ。その火がいまでも燃えてるってあたし何べんもお父さんから聴いたわ。」
「蝎って、虫だろう。」
「ええ、蝎は虫よ。だけどいい虫だわ。」
「蝎いい虫じゃないよ。僕博物館でアルコールにつけてあるの見た。尾にこんなかぎがあってそれでさされると死ぬって先生が言ったよ。」
「そうよ。だけどいい虫だわ、お父さんこう言ったのよ。むかしのバルドラの野原に一ぴきの蝎がいて小さな虫やなんか殺してたべて生きていたんですって。するとある日いたちに見つかって食べられそうになったんですって。蝎は一生けん命逃げて逃げたけどとうとういたちに押えられそうになったわ、そのときいきなり前に井戸があってその中に落ちてしまったわ、もうどうしてもあがられないでさそりは溺れはじめたのよ。そのときさそりはこういってお祈りしたというの、 ああ、わたしはいままでいくつのもの命をとったかわからない、そしてその私がこんどいたちにとられようとしたときはあんなに一生けん命逃げた。それでもとうとうこんなになってしまった。ああなんにもあてにならない。どうしてわたしはわたしのからだをだまっていたちにくれてやらなかったろう。そしたらいたちも一日生きのびたろうに。どうか神さま。私の心をごらん下さい。こんなにむなしく命をすてずどうかこの次にはまことのみんなの幸のために私のからだをおつかい下さい。って言ったというの。そしたらいつか蝎はじぶんのからだがまっ赤なうつくしい火になって燃えてよるのやみを照らしているのを見たって。いまでも燃えてるってお父さん仰ったわ。ほんとうにあの火それだわ。」
# by moon_color | 2006-01-12 13:40 | 文章
『茨の海』鬼束ちひろ
あなたの放り投げた祈りで
私は茨の海さえ歩いてゆく
ただしくなどなくても
なくても

# by moon_color | 2006-01-12 09:26
『おわりの雪』ユーベル・マンガレリ 田久保麻理訳 白水社

でも、なかでもいちばん忘れられないのは - というのは、父さんがそこに注目したからなんだけど - 男の影は一つの黒い夜でした、というところだ。ふと口をついて出たことばで、大した意味はない。というより、ほとんどまったくない。でも、そのフレーズが出てきたときには、自分でもすてきだと思った。

トビ取りの話はまだつづいた。
# by moon_color | 2006-01-09 12:40 | 文章
錦糸町、306号室
「そんなの美味しくないよう、、」
って美味しくないわけナイやないかい!
時間をかけて陽子の性器を舐める。
「ヤダヤダ」も「イヤイヤ」も、僕を欲情させるだけヤでぇ~ムフフ。
しかもヌレヌレやナイかい!ムフフ。
錦糸町のラブホテル。陽子と2回目のホテル。

「自分で胸さわってみて」
陽子の耳を舐めながら、陽子の恥ずかしがる事を強要する。
僕は後ろから両手でクリトリスとヴァギャナを攻める。
「やだぁ」と言いながら、陽子は恥ずかしそうに両手で自分の胸を揉む。
僕は手の動きを激しくする。
「やだぁ」と言いながら、陽子の胸の揉み方が激しくなる。

誰にも見せたことのない陽子を僕に見せてほしい。僕にだけ見せてほしい。嘘でもいいから「こんな事ケンゾーにだけだよ」と言ってほしい。ホントに嘘でもイイから。嘘だったらホントはイヤだけど。(なんじゃそりゃ)

「こんな事、旦那にしかしたことナイんだよ」
初めての夜、フェラチオをお願いしたとき陽子は言った。
じゃぁなおさらして。旦那さんにしてあげるなら、僕にもして。それ以上のことをして。僕の性器を口に頬張っている陽子を見ていたら涙が溢れてきた。理由はわからないけど声と一緒に涙が出てきた。陽子は軽く歯をたてながら上下させた。僕のあえぎ声を、陽子は笑ってくれた。僕は誰にも見せることが出来なかった僕を見てもらっている。

枕元の受話器を取り”9”をプッシュする。フロントに宿泊に変更することを告げる。
陽子のいなくなった306号室(陽子は先に帰った)。今は空調の音だけが聞こえる。機能的には十分満たされているはずなのに、どこか不自然な部屋。間違えない、何かが欠落している。空調によってのみ入れ替え可能な空気?それとも窓?窓から見えるはずの月?

陽子のコトを思うとまた勃起した。でもオナニーはしない。

少し怖い。
いつか僕は、この部屋で無理なお願いをしていしまいそうだから。
陽子の心に致命的な傷を刻み込む、無理なお願いをしてしまいそうだから。
# by moon_color | 2006-01-06 04:09 | 日記
「漂流の羽根」鬼束ちひろ
その必要のない街で 
二人は何を狼狽えたのだろう
そんな必要のないこの街で
# by moon_color | 2006-01-04 23:46 |
直球ド真ん中
 23時50分。
玄関を開けると、昴ちゃんがしかめっ面して体育座りしている。
「お父さんと一緒に寝るんだって聞かないんだよもぅ。ほら、お父さん帰ってきたよ、寝よ」
純ちゃんが布団の部屋に連れて行こうとする。
あぁそうだ、仕事に行く前、約束したんだったぁ、一緒に寝ようねって。
真一文字の口元がワナワナしている。ジーッと僕を見ている。
「待っててくれたのか、じゃぁ一緒に、、」
僕がそう言い終わらないウチに昴ちゃんは泣き出した。子供らしく大声で「ウワァーン」って泣き出した。味なコトしてくれるなぁ、まいったよ。昴ちゃんをヒョイと抱っこしてやると、よっぽど眠かったんだろうな、肩に頭をコテンと乗せてきた。合わさった胸からはドクンドクンと高ぶった心臓の鼓動、耳元からはヒックヒックした息づかい。布団の部屋に連れて行く数秒の間に昴ちゃんは眠った。ヒックヒックしたまま。
いつでも直球ド真ん中なんだよなぁ子供って。

洋服のまま一緒に布団に入る。
「く」の字に寝ている昴ちゃんを、僕も「く」の字で抱き寄せる。冷たい布団と子供の体温が気持ちいい。

予約録画したビデオを見る。
陽子も見ているから僕も見る。
何でもイイ、陽子とかさなりたい。
これって依存なのかな。
# by moon_color | 2006-01-04 01:52 | 日記
「花」オレンジレンジ
花びらのように散ってゆく事
この世界で全て受け入れてゆこう
君が僕に残したもの“今”という現実の宝物
# by moon_color | 2006-01-04 01:39 |
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月の海、ちがう色。読書と日記。
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